宝塚南口駅 柳沢形成外科 | 一般形成外科：爪の治療 | 陥入爪、巻き爪、爪囲炎

陥入爪

陥入爪は、爪の角や側面が周囲の皮膚に食い込む（陥入する）ことで、爪の周囲に痛みや炎症を引き起こします。
足の親指に生じることが多く、爪を深く切り過ぎたり、窮屈な靴を長時間履き続けたりすることがきっかけとなります。悪化すると爪が指の肉に食い込んで強い痛みや腫れをきたしたり、さらにはジュクジュクした組織（不良肉芽）が盛り上がってきたりすることがあります。

予防のためには、適切な爪のケア（切り方）や、足に負担の少ない靴を履くことなどが大切です。

治療

➊ガター法
当院では軽症～中等症の陥入爪に対してはガター法を行っています。爪の側面部分に柔らかいチューブを挟みこむようにして取り付けることで、爪と皮膚が直接接触しないようにして、組織に食い込むことによる刺激症状を軽減します。
治療の長所は、爪の切除が不要なため形態を維持することができることです。一方で短所としては、爪の陥入が生じなくなるまでの期間（爪が指先まで伸びるまで、多くは2-3か月程度）チューブを置いておく必要があることです。チューブは爪に縫い付けてあるため通常通りの生活を送っていただけますが、激しい運動などを行うとチューブが取れてしまい再度付け直す必要が生じることがあります。

➋フェノール法
フェノール法は症状を引き起こしている爪の側面部分を切除し、さらに新たな爪をつくり出す爪母に組織腐食作用のあるフェノールを染み込ませた綿棒を押し当てることで爪母の処理を行い、爪を切除した部位に新たな爪が生えてこないようにする方法です。
治療後は2-4週間程度外用処置が必要となります。
治療の長所としては、治療が比較的簡便であり、重症の陥入爪例でも治療可能なことがあります。一方短所として、爪が部分的に切除されるため爪の幅が細くなりますが、爪の見た目の違和感はほとんど残りません。

巻き爪

巻き爪とは、爪の先端部が強く湾曲した状態を言います。変形が強くなると、指先の組織に爪が食い込み、痛みや炎症を引き起こすなどして陥入爪の状態となります。
また、先細りとなった爪の見た目を気にされる方もおられます。

治療

当クリニックでは弾性ワイヤーによる治療を中心に行っています。専用のワイヤー 自体は自費購入していただき処置に用います。
爪の先端両側に小さな穴を開けた後、ワイヤーの両端を穴に通してボンドで爪に固定する簡便な方法であり、処置は数分で完了します。麻酔は不要であり、処置中処置後を通じて痛みはなく、装着した当日から入浴も可能で日常生活の制限はとくにありません。
湾曲した爪は徐々に広がり形態が矯正されますが、必要に応じて4～6週毎にワイヤーを入れ替える必要があります。また、矯正された爪は処置を中断、終了すると通常時間とともに変形が再発してくるため、再発すれば再度処置を考慮する必要があります。

他に巻き爪の根本的な治療としては手術がありますが、抜爪を行い、爪の床面の形成や指先の骨（末節骨）を平坦化するための骨削除などを要することから術後の局所安静が必要であり、もしご希望される場合は連携病院等をご紹介させていただきます。ただ術後状態が安定するのに時間を要し、またそれでも再発することもあり、十分に治療の適応を検討することが望ましいと考えられます。